「★いただきました」

いわなみ家の話

第33話

「★いただきました」

 

先日、スマートフォンのバナー表示に「Googleマップにクチコミが送信されました」とお知らせが届きました。

どれどれとサイトを開いてみると、

★☆☆☆☆

5段階評価の星が1つ。

これがミシュランなら、どえらい事でして、地元紙の一面に掲載されちゃうかもですけど・・。

この類いの星1つというのは

「もう2度とこんな店行かないし、オススメもしない」に相当するのでしょう。

ハイ、頂いたお声は真摯に受け止め・・たいところなんですが、★だけが置き去りにされて、声(コメント)や名は無し。

「せめて、お名前だけでも。君の名は~」。

そして当方、匿名のインターネット評には全く動じておりません~。

 

バズる(ヒットする、大当たりする)とかディスる(けなす、否定する)なんて言葉が生まれて多用されてます。

友人の知り合いの店では、ネット検索でその店が常にトップに来るように、毎月10万円も払って、外注しているそう。

そんなにバズりたい?

トホホな時代。イミフ~(古い?)

 

今、小3の長女が、オリンピックの新聞記事を切り抜いて夏休みの自由研究に取り組んでいます。

彼女が考案した「オリンピッククイズ」には

【オリンピックで銀メダルをかく得した女子バスケットボール町田瑠唯選手の身長は何センチでしょう?】

1、170センチ

2、162センチ

3、167センチ

とあり、問題の脇に答えがさらっと書いてありました。

それを見て元新聞記者の血が騒ぎます。

「答え書くだけじゃダメ。新聞記事とかないの?ほんとに162センチなんだ~って納得できるような・・」

「あー、そうか」

理解したのかしてないのか、お母さんの熱に圧倒されたのか(笑)、8月9日付読売新聞朝刊スポーツ面から、選手のプロフィールを切り抜いていました。

 

 

本当のことは、どこにあるのか。

どのソース(情報源)を信頼するのか、しないのか。

その力を母子とも身に付けて行きたいです。

 

 

 

 

 

「菌の世界も多様性」

いわなみ家の話

第32話

「菌の世界も多様性」

 

「多様性と調和」をスローガンに開催された東京2020オリンピックが閉幕しました。

  • 卓球のサーブ
  • シンクロナイズドスイミング
  • 体操(あん馬、床)

3競技をモノ(モノマネ)にした子供たちにも、この夏が特別なものになったようです。

ところで、前々回のブログで紹介した「酵母起こし」、上手くいきましたか?

(以下は、オリンピックにも酵母起こしにも乗り遅れた方でも読んでいただける話です。Don’t worry)

フルーツを水に浸けただけの「酵母液」。その瓶の中も実は多様性なのです。

今回起こしたフルーツの皮に付着していた菌の他に、

ヒトの手に多く付着している常在菌、家の柱や壁、空気中で生きている菌が混じっていることでしょう。

経験談ですが、新婚当初に住んだ新築のマンションではなかなか酵母起こしが成功しませんでした。

そして逆に、日々酵母や小麦粉が浮遊しているこの古民家では酵母起こしが成功しやすいのかもしれません。

さて、今回はその酵母液に、更に別の菌をプラスします。

  • 明治ブルガリアヨーグルト
  • 雪印メグミルクナチュレ恵
  • 強さ引き出すR-1
  • 生きて腸で働くシロタ株ヤクルト

上記、おなじみの乳酸菌主力選手ですね~。

これらのうちどれでもよいので、先の酵母液に混ぜてみてください。

翌日にはブクブク・・!

多様性と調和が、強さを生んだ証拠です。

わたしはこの「フルーツの酵母液+乳酸菌」でパンを膨らませています。

乳酸菌をプラスして酵母を強くする理由は幾つかあります。

  • 酸味を和らげる。イースト菌に比べて力の弱い自家製天然酵母なので、少しでも強くして、長時間発酵中に過度の酸味が出ないようにしています。
  • 膨らませる。膨らんでこそパンですから~!
  • 味に複雑さをもたせる。わたしの師匠は「自家製天然酵母種は、風味付け。みりんや酒のような役割」とも言いました。舌の奥でかすかに残る醸造調味料の味。

これが、常連のお客さんがよく言う「また食べたくなる」秘訣なのかもしれません。

「発酵オタク」

いわなみ家の話

第31話

「発酵オタク」

1日1個のペースでカボチャをもらう、今日この頃。

このままいくと、来年の今ごろは(年に10個食べたとしても)340個ものカボチャに埋め尽くされているかも・・

と言うのはよくあるジョークですが、1日1個のペースは本当です!

古民家の囲炉裏に並ぶカボチャのオブジェ、、本物です。

 

パンとエアロビのほかにもう一つ趣味がありまして。

堆肥作り。

野菜くずや落ち葉、雑草などを、微生物の力で発酵させて栄養のある土を作ろうとしています。

ワタクシ、筋金入りの発酵オタクです。

底が抜けた蓋付きバケツ(コンポスター、堆肥作りの容器)を、庭に埋め込んで、そこへどんどん、毎日の料理で出た野菜くずを入れています。

生ゴミ同然だったコンポスターの中に虫が棲んで高温になると、発酵と分解が進み、半年くらいかけてフカフカの土に!

発酵の力ってすばらしい。

その土を畑に戻して、無農薬・有機野菜を作る・・。

理想的~!ですけどもね、

堆肥1年生がそんなに易々とやってのけるわけがありません。

自家製堆肥を畑に戻した結果、我が家の庭には、植えた覚えのないカボチャのツルが縦横無尽に這い、黄色や緑やオレンジのゴロゴロとした実が。その数8個。

初挑戦の堆肥は未発酵で、カボチャの種(生ゴミ)が残っていたのでしょう。

手をかけて育てたはずのジャガイモやナスは害虫にやられて散々な結果なのに、いただきものの夏野菜で冷蔵庫は常にパンパン。

「ママさー、畑、やんなくてもいいんじゃね?!」

と、娘に言われる始末。

 

パンよりむずかしーじゃないの、堆肥。

「土作り10年」って、堆肥づくりの指南書に書いてありました。

発酵モノは、パンだけにしとけって?

 

 

 

Shall we 酵母起こし?

いわなみ家の話

第30話

「Shall we 酵母起こし?」

いわなみ家は、パンの製造販売とパン教室でスタートしましたが、現在、パン教室は行っていません。

「教室の再開は?」

「習いたいです!」

の嬉しい声に、このコロナ禍では「ごめんなさい」としか答えられませんことを、ご理解ください。

と!いうわけで、始まりますよ。

「いわなみ家の話」を読んで始める、自家製天然酵母パンへの道。

1記事1ステップ。

なるべく簡単に記していきます。

今日は【酵母起こし】。

用意するもの

  • 高さ13~15センチくらいのガラス瓶(100均のやつでOK)
  • ブルーベリー、ミニトマト、オイルコートなしのレーズンなどのフルーツ。酵母は果実の皮に多く付着しているので、皮のまま食べられるフルーツが最適。ワックスのかかっていない柑橘類でもOK。
  • 砂糖
  1. ガラス瓶は、熱湯を回しかけてそのまま軽く乾かしておく。
  2. フルーツ類をガラス瓶の1/3ほどまで入れる。
  3. 水をガラス瓶の3/4まで注ぎ入れる。フルーツがしっかり浸かっていればOK。
  4. 大さじ1、2杯の砂糖を加える。砂糖は、酵母のためのエサになります。
  5. 蓋を閉めて、温かい場所(室温27度の我が家なら、そのまま)におく。2、3日に1度、蓋をあけて空気に触れさせる

これが、いわなみ家パンの最初の最初です。4日~1週間ほどすると、フルーツからたくさんの泡ぶくが出てきます。そうすれば、酵母起こし完成!

フルーツに付着した酵母が目を覚まして、呼吸(泡ぶくがその証拠)しています。

ペットの飼い主になった気分、しますよ~。

生徒さんの中には「酵母ちゃん」と呼んでしまってる人も多いです(笑)

酵母が生きているからパンが膨らむのです。

室温に置いたままにしておくと、酵母が活動しつづけてエサ食べつくしてしまい、衰退してしまいます。

この酵母は、パンになるとき(小麦粉と混ぜるとき)に、パワーを発揮してもらいたいのです。出番はまだまだ先。なので、酵母を休眠させるために瓶を冷蔵庫で保管しましょう。

では、次のいわなみ家の話でお会いしましょう~

 

「ヘビとアブとマムシ」

いわなみ家の話

第29話

「ヘビとアブとマムシ」

縁側でパン屋をしているなんて、日本全国あたしんちくらいでしょうけど、まー出ます。虫たちが。

先日の開店時間には、縁側をブンブンいわせて飛び回る虫に、ちびスタッフたちは怯えまくり。

意気込んでいたレジのお手伝いどころじゃありません。

「ママぁ~、ハチくるー、やだ、くるー!」

「やだー、お母さんもやだー」

頼りない店主に見かねて?

「アブだ、アブ」と冷静に判断した常連客の男性、W部さん、そばにあったパン用のかごを構え、壁に止まったアブに狙いを定めてバシッ!!

コロンと、息絶えたアブがひっくりかえりました。

ほかのお客様から、スーパーマンに拍手が送られました。あたしなんて目がハートになりそうでした。

ほっとしてレジを進めていたら、今度は向こうのお客様の列から悲鳴のような声が。みなさんモクレンの木を見上げている様子。

「あれ、ほら、きれいに絡まってる」

「落ちてこないといいけどー」

すぐそばの木陰でヘビが休んでいるらしいのです。

日曜と火曜はお客様いっぱい来るんだからそんなとこで絡まってちゃだめだよー、ヘビくん。

 

そういえば、去年の今頃は、縁側にすわってお店を始めようとしたわたしのすぐ背後に、マムシ!!

窓と網戸の間に挟まって「彼」も困っていたみたいでしたが、何をどうしてよいかわからない私はアタフタするばかり。

そうこうしているうちに、近所の常連K島さんが自宅に戻ってバーベキュー用のトングを持ってきてくれました。

「それ貸してください!」

と名乗り出たのは、列に並んでいた若いお父さん。

網戸越しに少し刺激を与え、マムシが出てきたところをトングで挟んで捕獲したかと思うと、お客さんの列から遠く離れたところまで持っていって、ガンッ、ガンッ。

庭に転がっていた大きめの石を使って、マムシを駆除してくれました。

毎年スーパーマンが現れて助けてくれますので、どうぞみなさん、安心してお店へおいでください。