Shall we 酵母起こし?

いわなみ家の話

第30話

「Shall we 酵母起こし?」

いわなみ家は、パンの製造販売とパン教室でスタートしましたが、現在、パン教室は行っていません。

「教室の再開は?」

「習いたいです!」

の嬉しい声に、このコロナ禍では「ごめんなさい」としか答えられませんことを、ご理解ください。

と!いうわけで、始まりますよ。

「いわなみ家の話」を読んで始める、自家製天然酵母パンへの道。

1記事1ステップ。

なるべく簡単に記していきます。

今日は【酵母起こし】。

用意するもの

  • 高さ13~15センチくらいのガラス瓶(100均のやつでOK)
  • ブルーベリー、ミニトマト、オイルコートなしのレーズンなどのフルーツ。酵母は果実の皮に多く付着しているので、皮のまま食べられるフルーツが最適。ワックスのかかっていない柑橘類でもOK。
  • 砂糖
  1. ガラス瓶は、熱湯を回しかけてそのまま軽く乾かしておく。
  2. フルーツ類をガラス瓶の1/3ほどまで入れる。
  3. 水をガラス瓶の3/4まで注ぎ入れる。フルーツがしっかり浸かっていればOK。
  4. 大さじ1、2杯の砂糖を加える。砂糖は、酵母のためのエサになります。
  5. 蓋を閉めて、温かい場所(室温27度の我が家なら、そのまま)におく。2、3日に1度、蓋をあけて空気に触れさせる

これが、いわなみ家パンの最初の最初です。4日~1週間ほどすると、フルーツからたくさんの泡ぶくが出てきます。そうすれば、酵母起こし完成!

フルーツに付着した酵母が目を覚まして、呼吸(泡ぶくがその証拠)しています。

ペットの飼い主になった気分、しますよ~。

生徒さんの中には「酵母ちゃん」と呼んでしまってる人も多いです(笑)

酵母が生きているからパンが膨らむのです。

室温に置いたままにしておくと、酵母が活動しつづけてエサ食べつくしてしまい、衰退してしまいます。

この酵母は、パンになるとき(小麦粉と混ぜるとき)に、パワーを発揮してもらいたいのです。出番はまだまだ先。なので、酵母を休眠させるために瓶を冷蔵庫で保管しましょう。

では、次のいわなみ家の話でお会いしましょう~

 

「ヘビとアブとマムシ」

いわなみ家の話

第29話

「ヘビとアブとマムシ」

縁側でパン屋をしているなんて、日本全国あたしんちくらいでしょうけど、まー出ます。虫たちが。

先日の開店時間には、縁側をブンブンいわせて飛び回る虫に、ちびスタッフたちは怯えまくり。

意気込んでいたレジのお手伝いどころじゃありません。

「ママぁ~、ハチくるー、やだ、くるー!」

「やだー、お母さんもやだー」

頼りない店主に見かねて?

「アブだ、アブ」と冷静に判断した常連客の男性、W部さん、そばにあったパン用のかごを構え、壁に止まったアブに狙いを定めてバシッ!!

コロンと、息絶えたアブがひっくりかえりました。

ほかのお客様から、スーパーマンに拍手が送られました。あたしなんて目がハートになりそうでした。

ほっとしてレジを進めていたら、今度は向こうのお客様の列から悲鳴のような声が。みなさんモクレンの木を見上げている様子。

「あれ、ほら、きれいに絡まってる」

「落ちてこないといいけどー」

すぐそばの木陰でヘビが休んでいるらしいのです。

日曜と火曜はお客様いっぱい来るんだからそんなとこで絡まってちゃだめだよー、ヘビくん。

 

そういえば、去年の今頃は、縁側にすわってお店を始めようとしたわたしのすぐ背後に、マムシ!!

窓と網戸の間に挟まって「彼」も困っていたみたいでしたが、何をどうしてよいかわからない私はアタフタするばかり。

そうこうしているうちに、近所の常連K島さんが自宅に戻ってバーベキュー用のトングを持ってきてくれました。

「それ貸してください!」

と名乗り出たのは、列に並んでいた若いお父さん。

網戸越しに少し刺激を与え、マムシが出てきたところをトングで挟んで捕獲したかと思うと、お客さんの列から遠く離れたところまで持っていって、ガンッ、ガンッ。

庭に転がっていた大きめの石を使って、マムシを駆除してくれました。

毎年スーパーマンが現れて助けてくれますので、どうぞみなさん、安心してお店へおいでください。

 

 

 

「ひとりでパン屋になりたいあなたへ」

いわなみ家の話

第28話

「ひとりでパン屋になりたいあなたへ」

 

ひとりでパン屋を開業するぞ、の意気込みが現実味を帯びてきた頃、

「パン屋、自宅、ひとり」

「パン屋、オーブン、女性、開業」

「パン屋、開業、いくら」

などと検索ワードを入力して、毎晩寝床でブルーライトを浴びていました。

業務用オーブンの型番や機種がわかるような写真がついているブログには食い入るように見入って、2本の指で写真をびよーんと拡大。み、見えない。

夜中に目を覚ました子供に「ママ、こわい」と言われたことも・・。

はい!

そんな少数派かもしれない「自宅でパン屋を開業したい方」のために、下記に私の使用機種すべて書き出します。参考になれば。

 

【業務用オーブン】2台。

業務用としては最小クラス。パンフレットなどには、「カフェなどの焼き菓子やパンなどに」と書いてありますが、がっつりパン屋で使えます。

サンコー コンポミニNCM-G

お勉強価格で、1台70万円~

六枚取り天板1枚(一回にそれぞれ、ベーグル8個、山食5斤、カンパーニュ2玉など焼けます)

このオーブン2台で大小140~160個のパンを一晩で焼くので、焼いて取り出して焼いて取り出して・・を18回くらい繰り返す計算でしょうか?

クレイジー?!

【家庭用パン発酵器】3台。

業務用ホイロ(発酵器)は、ヘタするとオーブンより高価なので、家庭用を使っています。

大正電気 SK123

さっき楽天市場で確認したところ、38600円。ポイントたまるね~(笑)

3台のうち1台は、東京江東区で町の小さなパン屋さんのアルバイトを終えるとき、女主人からいただいたものです。10年以上経っても現役です。

カスピ海ヨーグルトや塩麹を発酵させるときも使っています。

 

【ニーダー(パンこね機)】1台。

以前は日本ニーダー社のKK81という小型ニーダーを使っていましたが、間に合わなくなって大型のものを新調しました。

日本ニーダー社 PK2025

11万円前後。

ネットサイトで買うより、日本ニーダーお問い合わせセンターのお姉さんに電話して、

「以前から日本ニーダー愛用してます!」

「これからも使いたいんですよね~」

「お店はじめるので買いたいんですが、予算がねぇ」

と熱望ぶりをアピールするとどんどんお勉強してくれて、かなりお得に買えます。

小麦粉量で2500グラムを一気にこねられます。

【電気代】

以上3種類の使用機器は全て電気ですが、1ヶ月のパン屋に係る電気代は約13000円です。

この夏は電気代もっといくでしょう。

オーブン250度で稼働させてるそばで、エアコン25度に設定してますので・・。地球に優しくありたい、のですが。

 

 

 

 

「店の名は」

いわなみ家の話

第27話

「店の名は」

 

福島市花園町にあるベーカリーカフェ「Roccia(ロッチァ)」のラインナップ。

山食

ノアレザン

チョコクランベリーベーグル

ショコラオランジュ

イングリッシュマフィン・・他

 

あれ?お気付きの方、いますね?

そうです。いわなみ家のラインナップと同じものがありますね。

ロッチァはわたしの一番弟子、けいちゃんのお店です。

今月で5周年を迎えるロッチァでは、パンの販売はもちろん、曜日ごとに変わるパンのランチプレートやスイーツのセットを提供しています。

そうそう、パンに合わせたオリジナルブレンドコーヒーも美味しいです。

それもそのはず、すぐ隣の「珈琲舎雅(こーひーしゃみやび)」はけいちゃんの旦那様がマスターの、珈琲と器のお店。

閑静な住宅地の一角で18年続く、地元の人たちに愛されているコーヒーやさんです。

 

その、信頼と誠実さを絵に描いたようなマスターから相談を受けたのは6年ほど前、次女が10ヶ月の頃。

「せんせ、折り入ってお話が・・。パンとコーヒーのお店を出したいんだけど、協力してもらえませんか?」

同席したけいちゃんも、背筋をのばして、歳下の私に、「せんせ、お願いできる?」。

「お店をプロデュースてこと?やったことないけど・・やる!」

ここに、なんとも頼りないパン屋開業プロデューサーが誕生しました。セーターを肩からひっかけてる人?!

弟子のほうが自分より先に店を出すという、おもしろい展開です。

マスターは私に全幅の信頼を置いてくれて、その場でプロデュース料の話までしてくれました。

私の仕事は以下の通り

  • 全てのいわなみ家パンレシピの提供
  • 業務用オーブン、発酵器、ニーダー(パンこね機)の選定
  • 業務用オーブンでの焼き時間と温度の調整、試し焼き
  • 大量に生地を仕込む際の指導
  • けいちゃんへの特訓
  • パンの紹介、リーフレットの作成

マスター、けいちゃん、スタッフさんと、毎日集まって、あーでもないこーでもないと、準備を進めました。

学生時代の部活動のように。

私自身、会社員を辞めて以来、久々にチームで働くことがとても新鮮で、「せんせ」と求められることが気恥ずかしくも、ありがたく思いました。

まだまだおっぱいをせがむ次女を抱っこしていても、「世の中と繋がってる、置いていかれてない」と社会復帰を実感していました。

 

けいちゃんは、福島のパン教室に初めて来てくれた人で、生徒ナンバー1。

そして、技術とセンスもナンバー1。

なので、出来ることなら何でも協力するよ、と約束したのです。

5周年おめでとう!

 

「で、何でロッチァなの?」

と、けいちゃんに、お店の名前の由来を聞いたことがありました。

「いわなみせんせー、知ってる?イタリア語でRocciaって、岩って意味なんだよ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「点と点がつながる日」

いわなみ家の話

第26話

「点と点がつながる日」

 

えー。

みなさまにご報告があります。

わたくし、このほど、有段者になりました!

2年前から長女と一緒に習い始めた書道教室の、硬筆(ペン字)で「級」から「初段」になりました。

のれん、名刺、ホームページ、パン屋関連の至るところに「いわなみ家」とありますが、お恥ずかしながら、あれは私が書いたものです。

あれを書いたあと、「こりゃまずいな、字が上手になりたい」との思いで書道教室に通い始めましたので、残念ながら有段者のジツリョクをもうパン屋には生かせないのですが(笑)

後で何が役立つか分からないのが人生のおもしろいところ、らしいですから、続けます。

 

もうひとつ、継続しているエアロビクスは、「初中級」から「中上級」へ、微妙にステップアップしました。

エアロビクスは大学生から続けていて、若いときはスタジオ通いもしていましたが、今やYouTube動画が豊富にあります。

体力をつけて、長くパン屋をやっていくために、毎日続けています。

ひとたびカラダを動かすことを習慣にすると、動かない日は逆にカラダが気持ち悪いと感じます。

スマホを立てて、その小さな画面の向こうにいるノリノリのインストラクターと一緒に動きます。

そんなアタシに家族はもう慣れっこです。

今朝は

「滝汗確定エアロビ(20分)」と

「腰肉撃退エアロビ(8分)」を組み合わせて、汗だく。

徹夜でベイカーズ・ハイしたあとの、エアロビクス・ハイ、しびれます。(変人?)

 

今回のブログ、大それたタイトルをつけましたが、白状します。

スティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学でのスピーチからヒントを得ました。

さまざまな経験が、ドット(点)とドットでつながる日が来る、んだそうです。

彼がデザインしたマッキントッシュが世に出たときのように。

 

ペン字とエアロビが?!