いわなみ家の話
第32話
「菌の世界も多様性」
「多様性と調和」をスローガンに開催された東京2020オリンピックが閉幕しました。
- 卓球のサーブ
- シンクロナイズドスイミング
- 体操(あん馬、床)
3競技をモノ(モノマネ)にした子供たちにも、この夏が特別なものになったようです。
ところで、前々回のブログで紹介した「酵母起こし」、上手くいきましたか?
(以下は、オリンピックにも酵母起こしにも乗り遅れた方でも読んでいただける話です。Don’t worry)
フルーツを水に浸けただけの「酵母液」。その瓶の中も実は多様性なのです。
今回起こしたフルーツの皮に付着していた菌の他に、
ヒトの手に多く付着している常在菌、家の柱や壁、空気中で生きている菌が混じっていることでしょう。
経験談ですが、新婚当初に住んだ新築のマンションではなかなか酵母起こしが成功しませんでした。
そして逆に、日々酵母や小麦粉が浮遊しているこの古民家では酵母起こしが成功しやすいのかもしれません。
さて、今回はその酵母液に、更に別の菌をプラスします。
- 明治ブルガリアヨーグルト
- 雪印メグミルクナチュレ恵
- 強さ引き出すR-1
- 生きて腸で働くシロタ株ヤクルト
上記、おなじみの乳酸菌主力選手ですね~。
これらのうちどれでもよいので、先の酵母液に混ぜてみてください。
翌日にはブクブク・・!
多様性と調和が、強さを生んだ証拠です。
わたしはこの「フルーツの酵母液+乳酸菌」でパンを膨らませています。
乳酸菌をプラスして酵母を強くする理由は幾つかあります。
- 酸味を和らげる。イースト菌に比べて力の弱い自家製天然酵母なので、少しでも強くして、長時間発酵中に過度の酸味が出ないようにしています。
- 膨らませる。膨らんでこそパンですから~!
- 味に複雑さをもたせる。わたしの師匠は「自家製天然酵母種は、風味付け。みりんや酒のような役割」とも言いました。舌の奥でかすかに残る醸造調味料の味。
これが、常連のお客さんがよく言う「また食べたくなる」秘訣なのかもしれません。