「開業届と納税」

いわなみ家の話

第16話

「開業届と納税」

 

税金は

未来につなぐ

虹の橋

 

どうですか、この標語。

今から30年ほど前に、このブログの著者が「福岡西税務署賞」を受賞した一句です。

住民税、固定資産税、自動車税、所得税。5月は税金貧乏マンス。

納期限は今月末ですよ、お済みですか?

 

パン教室を6年やってきましたが、それは多くのご指摘の通り、「趣味の延長」だったかもしれません。

 

家庭の中でも外でも、「パン教室=趣味」と言われるのがとても嫌でした。プライドが許さん!でも、「パン教室=仕事」と言い切れない自分もいて・・。

そう、告白しますが、6年間納税してなかったので、胸を張ってモノを言えませんでした。

移住し、いよいよ貯蓄の底がパックリ見えたので、開業届を出すことを決意しました。

紙1枚、税務署に送るだけです。

 

「税務署への開業届=納税の義務」だけではありません。

「開業届の控え」があれば・・。

 

1、個人事業主としての身分の確保(笑)

「わたしの仕事はコレ!」と、胸を張れます。

 

2、融資を受ける際の信用証書

なにせお金がないのでね、どうやって融資を受けましょう?

新たにクレジットカード作りたくなったら?

社会的信用ゼロの私に、心強い「開業届の控え」がついています。

ひかえひかえ~、なんつって。

 

かくして、私は、家庭内に「母ちゃん仕事するぜ!」の宣言高らかに、仕事の日は、スーパーの惣菜を胸を張って夕飯に並べる権利を得ました。

会津美里町からは「創業支援金」を、また株式会社フェリシモ様からは「とうほくIPPOプロジェクト」支援金のサポートを得ることができました。

古民家の玄関を入ってすぐ、18畳の広い土間があります。典型的な農家住宅の間取りです。

その1角に、2メートル×4メートルほどのパン工房を作りました。

発酵器、オーブン、水道。

パン生地を成形する作業台に立って手をのばせば何でも届く定員1名の狭小コックピットです。

この仕事場で週3回パンを焼いています。

通勤時間なし、YouTube見放題、BGM、ラジオ聞き放題、コーヒー休憩適宜。私にとっては夢の城です。

 

ところで最後にもうひとつ告白を。

くだんの標語、中2のときに母が考えました。

30年経ったし、時効よね・・。

納期限に納税したので、税務署さん許して♡

 

 

「無職で家を買う」

いわなみ家の話

第15話

「無職で家を買う」

移住地に決めた会津美里町は、人口約2万人。

お隣の会津若松市まで車で25分、コンビニ、ドラッグストア、スーパーまでは車で5分、マックやミスドやドトールはないけど、歯医者とファミリークリニックはあるような、ほどほどの田舎です。

明日どうしても手に入れたいものがあるなら、Amazonプライム。

さて、移住地を決めても、家を買わなければ住めません。

家は、マジ、縁。

空き家バンクに掲載されていた、一軒の赤い屋根の古民家に私はときめいてしまったのです!

実際に内見させてもらっても、トキメキ妄想は膨らむばかり。

囲炉裏に薪ストーブ、太さ40センチはあろうかという黒々とした梁、栗の大黒柱、高い天井、築100年超の古民家は、まるで民俗博物館のようです。広大な庭には大きなモクレンがそびえ立っていて、磐梯山が望めます。

でも、空き家バンクを利用するには、家の売り手と買い手の登録が必要。

身元調査としての警察への照会(私は暴力団と関係ありません!の証明)や、住民謄本の提出など、なかなか時間がかかります。

手続きが完了するまでは、指をくわえて待っているしかありません。

実際、インターネットのトキメキ物件に「商談中」が表示されたこともありました。内心、破談してくれ~と祈ります。

縁と運が味方して、やっと我々に交渉権がまわってきました!

優柔不断の夫を説得し、ついに家を買うところまでこぎつけました。

でも、無職ジリ貧夫婦がどうやって家を買う?銀行はもちろん、誰もお金を貸してはくれません。

こうなったら最後の手段。

へ、そ、く、り。

 

 

私は会社員時代のゆうちょ銀行の定期預金をくずしました。満期直前だったけれど・・。

夫も同額の札束(!)を引き出して、売り主さんのもとへ出向き、弁護士同席のもと、キャッシュで支払いました。

いよいよ、貯蓄の底の底が見えました。

 

その昔、夫からは、「新築の家を建ててあげるよ」って、聞いたんですけど・・。

まあ、いい!

この古民家を手に入れられただけで、満足。

底を見たら、這い上がるしかない。

 

 

「移住の決め手」

いわなみ家の話

第14話

「移住の決め手」

 

ここ、福島県会津美里町に移住して3年目になります。

「赤留(あかる)」「雀林(すずめばやし)」「尾岐(おまた)」など、地名もすんなりリスニングできるようになってきました。いまだに「布才地」が読めない・・。

 

時は遡って、3年前の夏休み。

毎週のように、当時住んでいた福島市の借家から、片道2時間山越えして会津地方へ通っていました。

1日に、多くて2~3市町村。目指すは役場の移住促進課。

奥会津三島町、南会津町、西会津町、喜多方市、会津坂下町、会津若松市、磐梯町、猪苗代町、柳津町、北塩原村。

「海に行きたい!」という子供たちを、猪苗代湖で湖水浴させて、どこへも遊びに連れていけない夏休みを取り繕っていました。

「ここ、海~?」だって(笑)。

子供は純粋やのぉ。こんな親を許せ~!

 

夫の実家は長野県は諏訪市にあり、実家の裏を流れる川の土手からは、八ヶ岳が望めます。

まるで、映画「おくりびと」のワンシーンのよう。

主役で納棺師役の本木雅弘さんが、残雪の山をバックに土手でチェロを弾くシーンです。あれは山形県で撮影されたそうですが。

「日本の原風景」。

移住地の条件として、そんな土地を探していたのは我々夫婦の一致する考えでした。

長野県松本市、塩尻市、原村、茅野市、富士見町、安曇野市、東御市、小諸市、立科町。

帰省のついでに、長野県の市町村も巡りました。

 

そして夏の終わりには、大量の移住パンフレットを前にして、役場巡りに疲れはててしまいました。

やみくもに調べたけれど、自分たちは一体、何を基準に移住地を選べばいいのか。

長女が小学校にあがるまでには移住したい、と目標を掲げていましたが、何の収穫もないまま、季節は秋。

幼稚園では卒園の準備が・・。入学予定の小学校は?と聞かれても・・。借家の更新は・・。

 

「もいっかい会津いってみよっか」

通いなれた土湯峠をまた越えて、今度は会津美里町の「移住定住促進課(現在は人口減少対策課)」をたずねました。

窓口からバタバタと笑顔で現れたのは、長谷川さんと長谷川さんと長谷川さんと関本さん。

今思えばこのメンバーが移住の決め手のひとつです。

たくさんの市町村をたずねましたが、人気の移住地であればあるほど、窓口の対応はそっけないものです。

「はい、こちらが資料です」。以上。

移住雑誌に載っているような土地には、役場が黙っていても移住希望者が集まってきますからね。

 

それにひきかえ、会津美里町の積極的なこと!

会ったその日に「それじゃ、これから車出しますんで、町をドライブしてみませんか?」。グイグイきました。

後で聞いた話ですが、ドライブの翌日から、3人の長谷川さんは、「岩波一家に必ず移住してもらおう・・」と作戦会議をしていたんだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パン教室せんせーの心得」

いわなみ家の話

第13話

「パン教室せんせーの心得」

 

これを読んでくれている方の中には、

自宅でパン教室(パンに限らず、自分の特技を生かしたこと)を始めたいんだけど、、

と思っている人もいるかも?

その方たちのお役に立てれば幸いです。

以下は私が生徒さん3名ほどを自宅に招いてパン教室を主宰していたときに特に気を付けていた事です。

【教室主宰者(せんせー)は、常に自信を持った発言をする】

どんな質問が来ても、「たぶん」「なんとなく」「わからんけど」じゃなく、きっちり自信をもって答える。

「こういう理由があって、この方法」というふうに、相手が納得できる言い方をする。

お金もらってますから。

 

【せんせーは、失敗談を惜しみなく提供する】

生徒さんは、どうにもこうにもうまく行かなくて、パン教室に参加してみようと思った方がほとんど。

「失敗あるある」を惜しみなく話すことで、生徒さんの心をわしづかみにします。ガシッ。

 

夜、起きて焼こうと思っていた食パンを、アラーム無視して朝まで放置してしまい、型から流れ出したパン生地をドロドロにしてしまった話。

あるよね~?

パン屋修行時代、塩と砂糖を間違えて仕込んでしまい、漬け物並みにしょっぱいパンが出来て、「いーわーなーみーさんっ!!」と怒られた話。などなど。

年下の先輩に怒鳴られる主婦の図・・。

 

 

【生徒さんたちがパン以外の話に脱線しかけていたら、それとなく引き戻す】

子供の話、妊娠の話、ダンナの話・・聞きたくない人もいます。

パン教室で居合わせたばっかりに思わぬ地雷を踏んでしまったらかわいそう。

パンの話をしたくて集まった、初対面のメンバーですから。

せんせー自ら、熱いパンの話に引き戻します。

 

【せんせー(店主)は背伸びしない】

こうやって自家製天然酵母パン焼いてますけど、月に一度はマ◯ドナルドが食べたくなりますし、ミ◯タードーナツのゴールデンチョコレートは大好物。冷凍庫にパンのストックがなくなれば、パ◯コの超熟もたまーに買います。

パン教室せんせーのときも、パン屋店主やってる今も、背伸びは厳禁で日々過ごしてます。

このテの告白をすると、生徒さん(お客さん)との距離がぐっと近くなります、笑

 

【また来てね、と心の奥底から言う。祈る。ビームを送る】

片思いと同じです。

こっち向いて!好きになって!リピーターになってくださーーい、とね。

 

 

 

「マルチタスク適合者」

  1. いわなみ家の話

第12話

「マルチタスク適合者」

 

このジェンダーレス社会の中で、大学では「女性学」を専攻した当ブログの筆者が文頭に言うのもおかしな話ですが、

女性はマルチタスク適合者です、よね。

マルチタスクとは、1度にたくさんの仕事を同時並行でこなすことができることです。

結婚して子供を持った女性の、ある日の夕方を一例にあげますと、

子供のオムツを取り替えながら、夕飯の献立を頭で考え、ハイヨ!おしりきれいきれい!と子供をリリース。さて米研いで味噌汁作って、、の途中で「う◯ち、でたー」。えー、さっき取り替えたばっかりじゃん、オムツ結構高いんだよー、残り少なくなったなぁ。ハイヨ!おしりきれいきれい!で、Amazonポチっとオムツを発注してたら味噌汁ボコボコに沸いてて、「夕飯要りません」のLINE受信。

「早よ言え~!味噌汁なんて作らんし!」

まんま、数年前(俗に言うイワナミサトコ暗黒貧乏期、笑。第11話参照)の私です。

ワンオペマルチタスクの夕方の続きは、こうです。

新生児1名を浴室に転がして、猛スピードで2歳児を風呂に入れて、半裸で子供を追いかけて体拭いて、自分の髪の毛にまだリンス残ってた・・。

毎日が嵐のようなマルチタスク業務でも、それだけでは私は満足しませんでした。

大人との会話が必要でした。

ド貧乏暮らしの中でも、満ち足りていたのは、他ならぬ、パン教室の生徒さんたちとの会話があったからです。

(これまでの生徒さん約200名のうち、男性は3人だけでした。パートナー同伴の男性はOKのシステムでした)

「せんせ、せんせ、いわなみせんせ!」

親ほど年の離れた生徒さんに慕われ、パンを教える代わりに育児のアドバイスをもらいました。

ドタバタでも順調に子育てをしている私に、なぜか、「赤ちゃんができないんです」「赤ちゃんが流れてしまったんです」と悩みを打ち明けてくれる若い生徒さんも数人いました。

「先月、母を看取りました」

「津波で、家をまるごと流されました」

「子供がずっと不登校で」

「義母の介護でもう限界!でもパン教室には来た!」

 

誰もが、聞いてほしい、話してみたいんです。ほんとはSNSじゃなくFace to Faceでね。

マルチタスク適合者のあなたは、底知れない力を持っています。ふふふ。

 

今日もおつかれさま。

女子ってあれもこれも、やることいっぱいね。わかります!

話、聞きますよ。

いつも聞いてくれてありがとう。

ハグ!