「頭のなかのコツ」

いわなみ家の話

第115話

「頭のなかのコツ」

40年くらい前の話。

仙台育ちのわたしの友人が、新婚1年目、彼の実家で食べた「ソースカツ丼」のおいしさに感動したそうです。「会津にはこんなに美味しいものがあるのかぁ」と。

彼の実家は、会津若松の七日町通りに店を構える食堂「丸重」。彼のお父さんがお嫁さんに、自慢のソースカツ丼を振る舞ってくれたんですね。ええ話や。

そのお父さん、ある日の朝、出前の食器を回収しに出掛けたところ、信号無視のバイクに突進されて重傷を負い、意識が戻らないまま事故から数年後に亡くなりました。

お父さんの頭のなかだけに存在していたソースの配合も、ラーメンのだしの取り方も、ポークソテーのコツも、誰にも受け継がれることはなく、1992年、地元に惜しまれながら店を閉じることになったそうです。

創業20年の丸重には遠く及びませんが、創業4年のいわなみ家。頭のなかにだけあるパンのコツ…実はわたしにもたくさんあります。

と!思い立ち、役場の調理室でパン教室を再開しようかなと考えています。

いわなみ家で売っているものと同じパンを作ります。

初心者でもパン経験者でも、生徒さんの今後の暮らしに、きっと為になる内容にする予定です。

詳細はのちほど。

 

 

 

 

 

「同級生は44歳」

いわなみ家の話

第114話

「同級生は44歳」

お届けパン常連さんで、高校の同級生のM君からまた注文をいただいた。

何度かメールのやり取りをしていたら、職場のPCからの送信だろうか、メールの末尾に職場用アドレスと肩書きが載っていた。

「○×大学病院 教授」

Mくん、44歳にしてもう大学病院の教授ですか…!

大学ではMセンセイと連呼されているだろうけど、わたしら同級生の間では超おだやかMくん。先日のメールでは「パン代3600円振り込みました~」と。まいど!

新聞に目をやると「UNIQLO新社長に44歳塚越氏」。

2002年UNIQLO入社ですかー。私もそのころよく入店はしてたのにな~(笑)

私の周りには華々しい同級生がまだまだいる。入学した中学校にAyuがいて、転校した中学校の同じクラスに林檎がいて、入学した大学にはMISIAがいて。みるみる自分が霞んでゆくじゃないの!

実はMくんとは遠い親戚で、実家の母もよく知っている。

母「なんか、あんたたち似てるねー。故郷を離れて北へ北へ」

私「えー?パン屋と教授じゃ出世の度合いが違いすぎますけど!」

母「まあまあ、比べてもしょうがない、人生、面白いが勝ち」

了解。

では来年2月、オードリー(44歳)の東京ドームライブ行くわ!チケット販売は9/23開始。当たりますよーにー

 

 

 

 

「助け船はどのくらい」

いわなみ家の話

第113話

「お客様にお知らせします。福岡行き1234便は大雪のため欠航いたします」

去年の正月、新潟空港で痛い目に遭ったので今年は夏休みに帰省してきました。母子3人で往復9万円超。夏でも冬でもチケット代は痛い!

小5の娘が会津若松市から福岡市の距離をインターネットで調べて「1200キロの旅」と題して作文を書くと言うので、助け船を出しているところです。

さてどのくらい助けようか…。

先日、娘たちの書道教室を見学しに行ったところ、おどろきの母子を見ました。

お母さんは教室に着くやいなや、筆を並べ、下敷きに半紙と文鎮をセットし、硯(すずり)に墨汁を注ぎます。書くのは、お母さん?ではなく、その娘。

「○○ちゃん、筆の入りはここからね。右上がりにグーッと、そうそう」

書道では、文字を書いたら墨汁が半紙ににじまないように、別の半紙で拭き取る作業も出来栄えのうち。

娘、一画書く。母、拭き取る。

母娘はまるで、餅つきの呼吸。あまりにスピーディーな一連の動きに、杵と臼が見えそうでありました!

母娘に見とれている間、うちの小3はというと。墨汁のにじみを拭き取ろうとしたはずみで筆をスカートの上に落とし、アッ!筆は半紙に着地…。半泣きでこっちを見ています。

小5は、私よりはるかに上手いので、母の助言はかえってマイナスでしょう。見学に徹しました。

助け船をどこまで出すべきか、子育てに日々迷います。

夏休みもあと2日。「1200キロの旅」は、ほぼ母の誘導尋問にて完成しました、笑。

このブログの書き出し、実は作文の書き出しと同じです。

母「飛行機が下がってきたら?」

娘「えっとねー、お腹の中がぐちゃぐちゃになる感じした!」

母「あー、そうね。それで?窓から景色とか見た?」

娘「飛行機の羽でよく見えなかったしー」

母「海とか見えたでしょーにー」

こうした誘導尋問で出来た一文は、「飛行機が高度を下げ、窓から景色を見下ろすと、つばさの向こうに博多湾が見えました」となりました。ちょっと誘導が強引だったか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夏の自由研究」

いわなみ家の話

第112話

「夏の自由研究」

連日の37度。小学生×2が家に居るだけで室温アップなんですけど…。

「マぁマー!自由研究なにすればいーのー?!」

「自分で考えなさい!」

と言い放ったものの、パン屋店主には超オススメの題材があるんです。

「果物を発酵させてパンを焼こう!」

え、却下?ガーン。手取り足取り指導できるのになー。いわなみ家生徒さんなら喜んで集まってくれるのに、うちのスタッフは見向きもしてくれません。

娘らの冷たい対応にめげず、この夏わたしは「水キムチ」に挑戦しています。

米の磨ぎ汁と野菜を発酵させて作る、辛くないキムチ。夏野菜の消費にも良いうえに、乳酸菌が糠漬けの16倍!

本の作り方によると「磨ぎ汁に野菜を入れて半日ほど室温に置くと、シュワシュワと泡が出て発酵する」と書いてあります。

日ごろ、パン生地を体感でコントロールできている私は漬け物となると及び腰。「大丈夫なの?腐ってんじゃねーの?」のドキドキ。実験は続きます。

さて、小5の自由研究が決まったようです。「塩の結晶づくり」か、いーねいーねー!

「食塩水から塩の結晶ができた!しょっぱい粉末のほうが結晶ができやすいかも。次はコショウでやってみたい。焼きそばソースのパウダーもいいかも」

子供の想像無限大。

コショウの結晶、マルちゃんソース焼きそばの結晶、できるかな~。母はスポンサーとして材料の提供にいそしみます。

 

 

「疲労対効果」

いわなみ家の話

第111話

「疲労対効果」

 

少ない費用で高い効果を得ること、すなわち費用対効果(コスパ)が良いことは、歓迎されますね。

コスパの良いお徳用タオル、コスパの良いドリップコーヒーセット、コスパの良いハイブリッド自動車…。

商売においては、費用対効果と同じくらい、いやそれ以上に、「疲労対効果」が大切なのではと身に染みて感じています。

少ない疲労で高い売上を生むには…?

例えば、めちゃくちゃ気合いをいれて200個のパンを焼いてイベントで完売させても、翌日以降の疲れはなかなか抜けないもの。

対して、製造数を100個に抑えて翌日の疲労をゼロにすれば、翌日もまた元気に100個分の生地を仕込むことさえできる。

パン1個300円として、200個で売上6万円。オマケに疲労がどのくらい残るか否か。疲労を残したまま次の仕事に移ると、思わぬ失敗(塩入れ忘れ)をしたり、感覚が鈍ったり(発酵見極めミス)して、結果、売上を落とすことになります。

その日の天気や体調によっても、疲労は多めにやって来たりするのでいつも一定とはいきません。

それならば、今の自分の疲労を(なんとなく)数値化してみようと思いました。

疲労度数MAXを10として、「このくらいの仕事量なら、明日は疲労度数6~7がくるな」「8以上だと翌日きついはず、仕事量をセーブしよう」という具合に。

疲労度数を翌日ゼロにするのが最も理想的です。

日中の昼寝で疲労度、-1。

湯船に浸かって、-1。

適量のワインで、-1。

早めの就寝で、-2。

ここ半年ほどはストレッチと筋トレに励んでいるので、それらも効いているかもしれません。疲れにくくなり、疲れが取れやすくなりました。

筋力アップは売上アップに通じる確信が持ててきました。(なかやまきんに君をインスタグラムでフォロー、笑)

日々の蓄積疲労が解消されないほど溜まってきたら思いきって店休を取ります。

そうそう、疲労度数を減らすのに効果的なものが、好きなものをネットショッピング。疲労度数、-1ないし2。

あ…ポチったら売上減りましたかね?

また働くべし!