「粉のポテンシャル」

いわなみ家の話

第118話

「粉のポテンシャル」

今週は、製粉業者さんに小麦粉を注文し忘れました。あちゃー。とりあえずネット(割高!)で買い集めてしのぎましたが。

1週間で25キロの粉袋を使いきるペースでひとりパン屋をやっています。

先月から再開したパン教室の生徒さんより。

質問「ハード系のパンはどんな粉をつかっていますか、またベーグルではどの粉ですか?教えてください」

答え「全部、ハード系もふわふわ系もベーグルも同じ粉を使っています。1種類です」

生徒さんびっくりしていました。

以下、長く熱い答え(一部加筆)「粉によってパンの食感が変わるのは事実ですが、こねるかこねないかで、同じ粉でも食感は大きく変わります。

わたしは郡山の製粉業者が製粉している、カナダ産の粉を使っています。ハード系も山食も。

こねてグルテンをたくさん出せばふわふわになるし、オートリーズでつなぐように生地を作ればハード系に近くなります。

国産ばかりが良いわけでもなく、製粉してまもない(酸化してない)ことが大事です!精米したての白米がおいしいのと同じです。

酸化してないと、粉に付着している酵母もまだ多くは生きていて、膨らみの良いルヴァンやパンになります。

膨らんでこそパン。
小麦粉のポテンシャル?(秘めた力、潜在能力の意味)みたいなのを全部だしてあげたいとつくづく思います。

俺、水、もっと吸えたのに…(吸えたら粉の味分かるのに…)

俺、もっと膨らめるのに…

と粉が嘆いていたらかわいそうです。

国産!地粉!BIO!と言っても、膨らんでないパンは不味いですもんね(ニヤリ)」

すごく高級な粉を使っても膨らんでなかったら残念なパン。多種類の粉を取り揃えるばかり、使いきれなくて酸化させてしまってもまた、粉たちが嘆きます。

会社員一人暮らし時代にパン作りにハマって、ネットで25キロの粉を注文したことがありました。狭いワンルームには保管場所もなく、常温で使いきるまで半年もかかって、最後には虫がわきました…(ホラーですね)

生徒さんへ。買うなら小分け1キロや2キロを。保存はできれば冷蔵庫。あと2500円で送料無料~の文句に踊らされず、ちょこちょこ買いましょ!

「パン教室の目的(と募集)」

いわなみ家の話

第116話

「パン教室の目的(と募集)」

こんにちは。自家製天然酵母いわなみ家の聡子です。

このたび、パン教室を開催(再開)することにしました。多くの方が興味をもっていただいて嬉しいです。

以下、少し長くなりますが、このパン教室の目的をお話しします。受講の前に一読してみて、ご賛同いただけましたら受講をご検討ください。

私の「パン教室先生歴」は、6年ほどです。

パン教室1回目は10年前。長女が1歳になったのをきっかけに「社会復帰」をしようと思って、自宅でパン教室を開いたのが最初です。初回は友人に生徒役をお願いして、その後、どんどん生徒さんが増えました。

育児に没頭する毎日から離れ?逃れ?て、

「(教えてと)求められること」

「(おいしいと)反応があること」

「お金がいただけること」

この三つがそろって、忙しくも充実した毎日になりました。

移住やコロナ禍もあり、パン教室は休止することになりましたが、その後はパン屋業に打ち込んできました。パン教室とパン屋の10年間、様々な立場の女性と関わってきました。子育てで離職中の人、夫の単身赴任についてきて友人がいない人、今の仕事をいつまで続けられるかわからない人、大切な家族を亡くした人…「私には何にもない」。

正真正銘のオバサンになった私はやっと気が付きましたよ。

「資格がなくてもいいじゃないの。手に技術と感覚が備われば、自立して稼ぐことができるわよ」

格好よく言うと、このパン教室は、そんな迷える人たちの「自立お助けパン教室」です。

今回からは最大10名収容の大きな調理室です。もちろん男子の参加もOKです。将来的にパン屋になりたい人はもちろん、今後の暮らしに張り合いのある趣味を持ちたい人、「いわなみ家で売ってる330円のベーグルと同じものを絶対自分で作ってやる」という人、モヤモヤした毎日を打破したい人、初心者も大歓迎です。

このパン教室を受講しても、何の資格もゲットできません(笑)私もパンと食品に関する、何の資格も持っていません。でも、過去の生徒さんは、大阪でベーグル屋さんに、福島市でベーカリーカフェに、伊達市でもベーカリーカフェに、米沢市では自宅パン教室先生になっています。私は、彼女らを、最初ちょっとだけお助けしました。その後彼女らはどんどんオリジナルのパンを発信しています。

基本を深くマニアックに追及した後、自分の頭でひねり出すことが、オリジナルへの近道だと思っています。ですから、このパン教室では酵母やパンの基本をマニアックにお伝えしていきます。

 

【日時】2023年12月14日㈭10時30分~14時予定

【参加資格】どなたでも。

【場所】会津美里町役場「じげんプラザ」調理室

【レッスン内容】基本を深くマニアックに。自家製天然酵母のベーグル

【内容詳細】講師が準備したパン生地で各自ベーグル4個を焼いたあと、試食。同時進行で、1から生地を仕込み、それを持ち帰って自宅で復習焼きをしてもらいます。軽いランチは、ご自分で焼いたベーグルや講師が持ち込んだいわなみ家のパン。珈琲舎雅の特製ドリップコーヒーを各自で淹れていただきますよ。いわなみ家のおみやげ付き(パンかなグラノーラかな。お楽しみに)

【参加費】5000円

【募集方法】11月22日正午から翌23日正午まで。

お返事は受信後24時間以内にメールします

ホームページのお問い合わせメールフォームhttps://iwanamike.com/mailform からお願いします。

(「件名」は「お問い合わせ」のほう)

  • お名前
  • 電話番号
  • ご住所

を記載してください。希望者多数の場合は抽選です。また、抽選で漏れた方には、来月以降のパン教室をご案内します。

 

 

 

 

 

「秒で寝るには」

いわなみ家の話

第117話

「秒で寝るには」

夜、8歳と11歳を両側に従えて、寝床で呼吸指導をしていました。

「お大事さんの三つの穴を広げる気持ちで鼻からたくさんすばやく吸って、お腹と背中をパンパンしてぇ(3秒)…

口から細く長くできるだけ長~く吐く、ハイ、三つの穴締め上げてぇ~ふぅぅぅぅ(10秒)。これで呼吸一回」

(お大事さんとは、いわなみ家用語で、デリケートゾーンの意)

髪型がウルトラマンみたいな産婦人科医の高尾美穂さんによると、「1分間に多い人で20回、少ない人で12回呼吸をしている」そうですが、それを6回に減らすと心が落ち着くそうです。

お、やってますけど(挙手!)

どこかで聞いたことあるぞ。

「くびれ母ちゃん」こと「下腹ペタンコ神ブレス(ワニブックス)」の著者村田友美子さんもこの呼吸法を紹介していました。「吐けるカラダ=やせるカラダ」で、「吐けないカラダは、酸素が全身に行きわたりにくく、代謝が落ちて太りやすくなる」とのこと。

くびれ母ちゃんシリーズを3冊読破して以来、暇さえあれば、「ふぅぅぅぅ」とギリギリまで吐く呼吸を隠れてやっています。

くびれるか瘦せるかはさておき、この呼吸法をすると、すぐ眠れます。

パン屋の私は、仕込みと仕込みの間に20分寝て、発酵待ちの間に3時間寝て、焼くか寝るかのどちらかの生活をしています。寝つきが良くないと、寝不足と不機嫌の悪循環を起こすので、仮眠の前にこの呼吸法を取り入れています。

高尾医師の一言「自分の機嫌は自分で取ることができる人」こそかっこいい大人。この一言はせんえつながら私も長年思っていることで、強く同感しました。

私の場合はちょっと乱暴で(笑)「自分の機嫌ぐらい自分で取れや!(わーれー)」なのですが。

長ーく呼吸して、すっきり眠る。

さて、寝床の両側の人たちはどうでしょう。

妹は効果てきめん、呼吸法の途中で眠ってしまいました。天使~

姉は一言「ママさ、それやんなくても、いつも秒で寝てるやん」

はよ寝ろっ!

 

 

 

 

 

「頭のなかのコツ」

いわなみ家の話

第115話

「頭のなかのコツ」

40年くらい前の話。

仙台育ちのわたしの友人が、新婚1年目、彼の実家で食べた「ソースカツ丼」のおいしさに感動したそうです。「会津にはこんなに美味しいものがあるのかぁ」と。

彼の実家は、会津若松の七日町通りに店を構える食堂「丸重」。彼のお父さんがお嫁さんに、自慢のソースカツ丼を振る舞ってくれたんですね。ええ話や。

そのお父さん、ある日の朝、出前の食器を回収しに出掛けたところ、信号無視のバイクに突進されて重傷を負い、意識が戻らないまま事故から数年後に亡くなりました。

お父さんの頭のなかだけに存在していたソースの配合も、ラーメンのだしの取り方も、ポークソテーのコツも、誰にも受け継がれることはなく、1992年、地元に惜しまれながら店を閉じることになったそうです。

創業20年の丸重には遠く及びませんが、創業4年のいわなみ家。頭のなかにだけあるパンのコツ…実はわたしにもたくさんあります。

と!思い立ち、役場の調理室でパン教室を再開しようかなと考えています。

いわなみ家で売っているものと同じパンを作ります。

初心者でもパン経験者でも、生徒さんの今後の暮らしに、きっと為になる内容にする予定です。

詳細はのちほど。

 

 

 

 

 

「同級生は44歳」

いわなみ家の話

第114話

「同級生は44歳」

お届けパン常連さんで、高校の同級生のM君からまた注文をいただいた。

何度かメールのやり取りをしていたら、職場のPCからの送信だろうか、メールの末尾に職場用アドレスと肩書きが載っていた。

「○×大学病院 教授」

Mくん、44歳にしてもう大学病院の教授ですか…!

大学ではMセンセイと連呼されているだろうけど、わたしら同級生の間では超おだやかMくん。先日のメールでは「パン代3600円振り込みました~」と。まいど!

新聞に目をやると「UNIQLO新社長に44歳塚越氏」。

2002年UNIQLO入社ですかー。私もそのころよく入店はしてたのにな~(笑)

私の周りには華々しい同級生がまだまだいる。入学した中学校にAyuがいて、転校した中学校の同じクラスに林檎がいて、入学した大学にはMISIAがいて。みるみる自分が霞んでゆくじゃないの!

実はMくんとは遠い親戚で、実家の母もよく知っている。

母「なんか、あんたたち似てるねー。故郷を離れて北へ北へ」

私「えー?パン屋と教授じゃ出世の度合いが違いすぎますけど!」

母「まあまあ、比べてもしょうがない、人生、面白いが勝ち」

了解。

では来年2月、オードリー(44歳)の東京ドームライブ行くわ!チケット販売は9/23開始。当たりますよーにー