いわなみ家の話
第59話
「ここにデジタルディバイド」
金曜日、「今週もやっとおわったーー」と花金モードの小学生姉妹が帰宅後ランドセルから誇らしげに出してみせたのは、タブレットPC。
「わいふぁいがつながるかのテストだって」
福島県内も連日、コロナウィルス感染者の最高数が記録されていて、当地会津美里町にも波及するのは時間の問題といったところ。オンライン授業に備えて、事前の調査らしいです。
ろぐいん、わいふぁい、きゅーあーるこーど。ワォ~、色々知ってんのねー。
ウチの子らは、テレビもスマホもほとんど見ません。流行のものは、学校で仕入れてくるくらい。
つい最近まで、YOASOBIをYOFUKASHI(夜更かし)と言い間違って、ヒットソング「夜を駆ける」を口ずさんでいた我が子はどこへ…。置いてかれそうな母。
正月に帰省したとき、母が作る料理がおいしくて毎晩お酒がすすみました。
「レシピおしえて!」
と言ったら
「あー、それは三國シェフのYouTube、それでこっちは奥薗(壽子)さんのYouTubeのやつ」
へ?!
母のレシピ帳は、醤油やみりんのシミがついた、あの年季の入ったノートじゃないのー?
70代の両親は、りんごマークのスマホとタブレットで、夫婦それぞれ、ひとりと2人の時間を尊重して快適に暮らしていました。あの2人にはデジタルディバイド関係ないみたい。
デジタルディバイドとは、インターネットやスマホに接触していないために起こる情報格差のこと。
この歳でディバイド生まれてたらヤバ…と心を新たに、電子決済のPayPayを始めました(今ごろ…笑)。
お届けパンなどで、これまでお客さまに振込み手数料を負担してもらっていましたが、ご希望の方はPayPayでどうぞ。
「おとーさん、PayPayQRコード送ったけど、届いてる?試しに10円送って~」
「今度はこっちから送金してみるわー」
「そっちの画面じゃどう見えてるのー?」
矢継ぎ早に73歳デジタル先生に質問する娘43歳。逆転してます