「小娘による辛口コメント」

いわなみ家の話

第36話

「小娘による辛口コメント」

 

先日、出先で夫が買ってきてくれたらしく、ダイニングテーブルにパンが転がっていました。

山食やカンパーニュなど、いわなみ家にもあるパンが数種類。

たまには他の店のも食べて研究してみたら?ってことだと察して翌朝いただくことにしました。

 

カンパーニュをつついてみた次女(小1)、

「なんっ、これ?やっわらか!」

軽くトーストした山食をかじった長女(小3)、

「ママ、口の中が乾く~。砂漠?砂鉄?の味する」

砂漠も砂鉄も食べさせたことはないですが・・・、言いたいことはわかりました。

パン屋の娘は、コメントがいちいち辛口かつ生意気でスンマセン(笑)親の顔が見てみたい。

 

私が焼き上げてあら熱をとっているパンにも、毎日厳しい視線が送られます。

山食を見ては、

「今日は高さが出てないねぇー」

(それ一番気にしてること!)

ちょっと早めにオーブンから出してしまったノアレザンを見ては、

「もうちょい焼き色つけたほうがよくない?」

(それも!)

んもー、的を射てるから余計にカチンときます。

生まれ育った環境の食べ物で舌や目が育つのはいいことだけど、コメントが的確すぎて時に凹みます。

お客さまの手に渡る前に、手厳しいチェックを受けておりますので、安心してお買い求めください。

 

件のパンを買ってきた夫もどうやら試食したようで、家庭内LINEが届いていました。

「いわなみ家のパンって美味しかったんだね(笑)」

 

今月で結婚14年目。

気付くの遅すぎない?

 

 

 

【9月5日(日)完売しました】

【9月5日(日)ラインナップ】

本日は完売しました!

ありがとう。ありがとう。

 

 

 

山食
パン・ド・カンパーニュ
アーモンドトースト
ノアレザン
ナッツとチーズのハードパン
マロングラッセのバトン
紅茶パン
じゃがいもパン
やっこいあんバターサンド
ハニーチーズピザ

塩あんこベーグル
チョコクランベリーベーグル
5種のドライフルーツベーグル(おためし)
ブルーベリーベーグル
ブルーベリーベーグルクリームチーズサンド
いわなみ家のグラノーラ

 

【8月29日(日)完売御礼】

【8月29日(日)完売しました】

 

また明後日火曜日にお会いしましょう!

 

山食
パン・ド・カンパーニュ
ノアレザン
ナッツとチーズのハードパン
ジャガイモパン
ハニーチーズピザ
塩あんこベーグル
抹茶かのこベーグル
抹茶あんバターサンドベーグル
ブルーベリーベーグル
ブルーベリーベーグルクリームチーズサンド
紅茶パン
やっこいあんバター
いわなみ家のグラノーラ

 

「あなたには嫌われたくない」

いわなみ家の話

第35話

「あなたには嫌われたくない」

 

草ボーボーの庭の草刈りをしながら夫が泣いていました。

「どうしたの、なんかあった?」

「取材先の人を怒らせてしまった・・」

今にも消え入りそうな声。

 

 

「ママはいいよねー、誰にも怒られなくて」と、小学生の娘たちはよく言います。

大人になったら怒られることは少なくはなるけど、その分、ショックは大きい。

 

あんたのこと信頼してたのに何をしてくれるんだ・・今回の夫の件も、どうやらその類いのようです。

大人の涙は、失った信頼への、悔しさそのもの。

大人のみなさん、最近、悔しくて涙したことありましたか?

  • フォトジャーナリストと取材相手
  • パン屋店主とお客様

比べる土台は違えども、わたしにも、信頼を失いそうになった出来事があります。

スマートフォンに届いた、常連さんからのメッセージ。

「いつもおいしくいただいています。お伝えするの迷ったんですが、先日のお届けパンに髪の毛が入っていました」。

この方、開業当初からのいわなみ家ファンで、「そろそろ(パンのストックがなくなって)禁断症状です」「いつまででも食べていられるパンです」など、これまでに胸が熱くなる言葉をたくさんいただいてきました。

 

そんなお客様の信頼を一瞬で。

作業中に入った私の髪の毛1本で。

飲食業者として、あってはならないことが起きてしまった。

手にしたスマートフォンの画面が、動揺で震えました。

すぐさまメッセージに心からのお詫びを送信。「既読」なるまで、鼓動が治まりません。

「入力中・・」にすこし安堵してさらに返信を待つこと1,2分。

「どんなに気を付けても起こることがあります。わたしも菓子作りをする者として重々承知です。これからもファンとして気持ち良く買い物したい・・そんな勝手な思いで、モヤモヤしたままにせず、お知らせすることにしたんです」

今度はスマートフォンの画面がぼやけます。

取り返しのつかないことをしてしまったけど、思い付く限りのお詫びはしたいと思い、翌日にはシュトーレンを送りました。

雪が溶けた春、ご家族で縁側の店頭販売にいらしてくれたことは、映像になって私の頭の中に残っています。

 

夫よ。相手は、「あんたとこれからも付き合いたいんだよ」と思って怒ったんでしょう。

時間を置かず、菓子折り持って、謝っておいで。何度でも。