「コロナの手元」

いわなみ家の話

第57話

「コロナの手元」

 

警報級の乾燥が続く40代の冬の肌。風呂上がり、入念に保湿クリームを塗りますが、寝る前にもう一度、追いクリームすることにしています。

手のひらで押し当てるように、顔全体に~っと。

あ、れ?

顔全体がスースーする。顔全体が歯みがき粉のよう…。

さっき夕飯の皿洗いのあとに「トウガラシ成分配合しもやけクリーム」を指先に塗布したんだったぁ。ヒーハー!

親指除く全手指がしもやけヒーフーもう痒い。

それもこれも、コロナのせいなんです。

 

年明けを待って大手パンメーカーをはじめ、ウチのような小さなパン屋も、小麦粉の価格上昇のために、パンの値段を上げました。(いわなみ家はまだ据え置きます)

輸入小麦は政府売渡価格が定められていて、昨年11月には半年前と比べて19%も高くなりました。これは、リーマンショック時よりもヒドい上げ幅らしいのです。

理由は以下の3点(製粉会社の兄ちゃんに聞きました)。

①北米産小麦の不作②中国市場の買い占め③コロナによる輸送需要の増加で輸送費高騰

珍しく私が世界経済を語っていますが、もっと声高に叫びたい値上がり商品があります。

それは、ぴったりフィット系のゴム手袋!

コロナ前は100枚入り900円程度だったのに、今では1800円もしますわよ、奥さんっ。

小麦の19%なんて話じゃないです、100%ゴムテショック。

思うに、医療従事者以外の人でも、家族の看護や普段の生活にもゴム手袋を使う人が増えたからでしょう。

そんなわけで、ゴム手袋をケチって素手で手洗いしてパン業務していたら、みるみるうちにシモヤケに。

おまけに古民家は蛇口ひねってもすぐにはお湯がでてきませんのよ。

食べ物系の商売にしてはコロナの影響をほとんど受けずにここまで来ましたが、まさかぴったりフィットゴム手袋で打撃を受けるとは。

さてと、眠気覚ましに顔にトウガラシ塗って、今夜もパン焼きますかぁ!