「なにくそ根性」

いわなみ家の話

第17話

「なにくそ根性」

 

古民家パン屋オープンに向けて、開店準備に余念がない2019年秋。

材料の仕入れを、これまでのインターネット通販から地元製粉業者に変更しようと考えていました。

パン教室なら小麦粉500g~1キロあれば1日のレッスンができますが、お店となると1日約10~15キロを使います。

インターネットでその都度購入していては間に合わないし、単価も高い。

毎週決まった曜日に25キロの粉袋を担いできてくれる業者さん、いないかな。

まずは東北ではいちばん名前を聞く、ある業者に電話して自宅に来てもらいました。

その若い営業マン、なんて言ったと思います?!

 

若造「ひと月のご注文が10万円いかないとお受けできないんすよー」

私「あ、そーですかー、そこをなんとか」

若造「ここでパン屋すかー?正直きびしーと思いますよ。米どころだしねー」

私「まあねぇ、一面の田んぼ・・」

若造「カンパーニュとか?ベーグルとか?いやー、きびしいと思うなー。柔らかいパンのほうがいいんじゃないっすか?」

私「・・もう、結構です」

聞くけど、若造よ、お前はアタシのパンを1口でもかじったことが、あんのか??

米どころ、会津人をなめんな。

会津人のお客様の舌は肥えてんだぞ。

 

もちろん、その業者とは取り引きしていません。

その後、10万円なんて注文いかなくても、毎週毎週届けてくれる、2つの業者さんと仲良くやっています。

根に持つタイプですからね、アタシ(笑)

若造の、あの「大規模店舗至上主義」、「田舎のパン屋は売れない」及び「俺はパン屋を知りつくしているぞ」的発言を胸に、「なにくそ根性」で小麦粉と向き合って参りました。

先月は10万円以上の支払を別の業者さんにしたもんね。

まだまだお尻が青いわね~

(今回は毒舌が過ぎましたかね・・失敬。若造思い出しちゃって、つい)