いわなみ家の話
第147話
「ミッフィーの行方」
毎週水曜日はパン業務が休みなので、決まってミスタードーナツに居座っているパン屋店主です。
カフェオレをお代わりして、ドーナツ1個でじっくり1時間半、本を読めればもう充電完了。
「ドンドンドン、ドンキー、ドンキーホォテー」
軽快なBGMに乗って、カートを走らせます。
卵・牛乳・ベーコン・鶏もも肉、小松菜・えのき・トイレットペーパー…。
お茶した後に、食料品を買って帰れるのがドンキのいいところ。
家族のみんなにトイレットペーパー節約令を出して、ここ数日を乗り切ってきたので、今日は買い忘れのないようにっと。
…と思っていたのに、信号待ちをしている間、車内をふと見まわしてみると、ミッフィー柄のトイレットペーパーが、ない。買ったはずなのに、ない。
ハザードランプを点けてちょっと考えて、10分後にはセルフレジに戻っていました。
私「あの、さっき、買い物したんですけど、たぶん置き忘れちゃったみたいで。(レシートを見せて)このトイレットペーパーなんですけど…」
店員「あ、この、ミッフィーちゃんのですね?」
私「そうですー。ないでしょうか?」
セルフレジ15台あまりを監視する店員のお姉さんの目の前には、液晶画面に何分割もされた各レジの様子が映し出されている。3番レジがスキャンミスをすれば赤く点滅し、お客さんに呼ばれる前にお姉さんが飛んでいって対応する。5番レジは有料レジ袋を1枚取ったようだ。
そんな忙しいお姉さんを、トイレットペーパー12ロール389円で煩わせてしまって申し訳ない。
店員「サービスカウンターにも届いてないので、うーん…。夜までに防犯カメラで確認してご連絡さしあげますがいかがでしょう?」
この時点では、客いわなみが虚偽の主張をしている可能性もあるわけで、ミッフィーは手元には戻りませんでした。
いつもより着信音を上げて待つ晩飯前。ドンドンドン、キタ!
店員「防犯カメラを確認したところ、確かにお客様はトイレットペーパーを置き忘れてお帰りになってました。で、そのあとのお客様が間違って持ち帰ってしまったようで…」
私「え!あらま、そうだったんですか…。じゃ、あきらめるしかないですね(トホホ)」
店員「いえいえ、お支払いはお済みなので、取り置きますよ」
このお姉さんの素晴らしいこと!
今頃、ミッフィー柄のトイレットペーパーでお尻を拭いているであろう人のことを、あくまで「間違って持ち帰った」と表現しているところ。
「んなバカな~間違うなんてことあるかいな!」と思うのはいわなみ家店主のほうです。
そしてドンキが389円の損失になるのに、取り置きしてくれるんですって。いい会社じゃないの!
これからも毎週行くわよ。来週はトイレットペーパーを引き取りに~