「関西のおばちゃん」

いわなみ家の話

第九話

「関西のおばちゃん」

 

生まれ育ちは福岡で、つい2年前に福島・会津に移住したところですが、たった1年間だけ、大阪に住んでいました。

今日はその濃密な1年の話。

最近読んだ「コンビニ人間(村田沙耶香 著)」に「喋り方に関しては身近な人のものが伝染し(中略)、大抵のひとはそうなのではないか」とありました。

まさしく私も、夫の転勤にくっついて大阪に住むことになり、関西人が聞けば笑われるようなエセ(まがいもんの)関西弁を喋っていました。

グリコも見たし、たこ焼きも、ねぎ焼きも、とん平焼きも食べた。

大阪で1歳になった長女は、うめだの阪急百貨店の屋上公園で、はじめてのあんよを達成しました。

刺激的な街、娘の成長、

でも友達おらへん。

いつもこの子と2人きりや。

 

そんな寂しい生活にカツを入れてくれたのは、兵庫県宝塚市に住むジュンコさんでした。

高校の同級生で、関西の大学に進み、大阪人の旦那様を持つ彼女は格好よい関西弁に染まっていました。

 

わたし「これから、どーしよ・・」

ジュンコ「よーちゃんも一歳になったことやし!」

わたし「ジュンちゃんしか知り合いおらんのに、パン教室できるんかいな・・」

ジュンコ「そのチラシ、かして。カラーコピーして近所にばらまいてええやろ?」

わたし「えー?だってオーブン一台しかないし・・」

ジュンコ「んなら、ポチッと買ったらええやん」

わたし「えー?」

ジュンコ「じゃ、配っとくわ~。ばいばーい!」

 

この1週間後、ジュンコさんは隣人のママ友を連れて、記念すべき第一回いわなみ家パン教室に乗り込んで来たのでした。

 

ジュンコさん、言葉もハートも関西のおば・・(失礼)マダムです。熱くて暖かい。

 

ジュンコさんの友達のハナコさん、ハナコさんの友達のトヨミさん、カナコさんにタカコさん。

笑っていいとも!ばりに、友だちの輪は広がります。

関西のおば・・(失礼)マダムたち、ひとりひとりが、今の私を大いに支えてくれるキーパーソンです。

いわなみ家関西支部のみなさん、いつか必ず会津へ、遊びに来(き)っせ~