「10万円は誰の手に?」

いわなみ家の話

第47話

「10万円は誰の手に?」

♪テレビもねぇ、ラジオもねぇ、クルマもそれほど走ってねぇ、ピアノもねぇ、バーもねぇ、お巡り毎日ぐーるぐる♪

この歌知ってますか?

こたえは、吉幾三「俺ら東京さ行くだ」でした。

ここ、会津美里町は田舎ですけれど、うちには辛うじてテレビとラジオとクルマと電子ピアノがあります。

が、テレビをほとんど見ません。

いわなみ家に、大それた教育方針があるわけではないのですが、子供たちがテレビを見るのは、土日各1時間くらい(ドラえもんやサザエさん)。

我が家で唯一テレビを繋げる線(?)が、土間にしかなく、特に寒さ厳しい冬はテレビを見るには決死の覚悟です。

羽毛布団をかぶり、正座してドラえもんを視聴している姉妹。萌え~。

空いた時間は図書館で借りた本を繰り返し読んでいるようです。

そんな姉妹が毎日楽しみにしているのが、読売と民友。

すげぇ、新聞!?いや、コボちゃんとモモちゃん(4コママンガ)のとこだけです。

所詮マンガだけか~い、と思っていたら、先日、テーブルに転がっていた新聞の1面を長女が読み上げていました。

「え?18さい以下10万円?!まじ?よーちゃんも?ヤッター」

やばっ。見つかった。理解してる。

「そ、それはー、コロナで困った人たちに…」

「よーちゃんも困ってるのよー、ふでばこボロボロだしー。残ったら貯金しよーかなー」

「いや、麻生さんが貯金しては困るって言ってたよ。使って経済回さなきゃ」

「・・?(ママなに言ってんの、の顔。) 他に、なに買おうかな~♪」

 

10万円の一部をサンタに託そうと思ったんだけどなー。思惑外れたなぁ。

先月のパン材料費12万円。

先月の生活費13万円。

先月のクレジットカード請求代・・。

10万円あったらなぁ!(姉妹で20万円)

 

ところで。

テレビが制限されている反動で読書好きになったのなら、長閑な田舎町には「何もねぇ!」と言って、アタシ東京さ行くわ、と言う日が来るのかもしれないな