「1万円の美容液」

いわなみ家の話

第38話

「1万円の美容液」

 

近所のドラッグストアで、9年ぶりに美容液を買いました。ちっさいボトルで1万円。

若い頃は、銀座の百貨店一階の、香水がプンプンする化粧品コーナーに座って、メイクばっちり美容部員にオススメされるがまま、あれもこれもと化粧水から美容液まで買っていましたが・・。

(そもそも近所に化粧品を買う所がない、笑。肉から酒から化粧品まで何でも揃うドラッグストア万歳)

子が生まれて以降、美容液の存在を忘れていました。

美容液なんて無視していたと言った方が適切か。あんな少量で高いものより、お徳用パンパースの日々でした。

マスクを外し、鏡を見てハッと気付いた・・ほうれい線やばくない?!

午前1時から開始する私のパン焼きスケジュールは、家族のみんなが起き出す6時くらいには一段落するのですが、そのころの私の肌といったら、「揚げる前の唐揚げ」状態です。わりとタツタ系。

皮脂にまんべんなくまぶされた粉。手で触ってみると頬っぺたがざらざらします。

小麦粉は少しの湿度変化も察知します。夏から秋へと、空気が乾燥する今、生地の仕込みの水分量も大きく変わります。

ゆえに、小麦粉に水分を吸われた私の肌は超乾燥状態であります。

駆け込むようにドラッグストアへ。

「あの、、口の周りのシワがなくなるような化粧品ありますか?」

単刀直入に困窮ぶりを告白すると、ドラッグストアの美容部員さんから、なるほどの答えが返ってきました。

部員「コロナ禍でマスクをしたままだと、口周りが、蒸れと乾燥を繰り返しているんです。保湿されている気になりがちですが・・。」

私「うんうん、口紅もしなくていいし、息で適度に保湿されてて、良いものだと思ってましたよ?逆なんですね」

それで、お肌にハリを与えてくれるという美容液を1本追加することになりました。1本でパン何個分じゃーー!?

 

部員「何より保湿。でも、タルミやシワの根本的な解決策は、表情筋を鍛えることですよ!(^.^)」

私「そっかー、良いこと聞いた!笑う、話す、ですね。じゃ、コレ(1万円)、買わなくていいでしょうか?」

部員「それは必要かと!(^.^)」

うまいこと乗せられましたが、ベーグル35個分のケアもやってみようと思います。