いわなみ家の話
第22話
「イランコトイワン子育て」
ブログの更新が途絶えていたここ数日、母ちゃん参ってました。
何よりも食べることが好きで、家族の誰よりも先に食卓について、「もうやめなさい」って言うまで食べ続けていた1年生の次女が、全く食べなくなりました。
食卓に並んだ夕飯をチラリと確認して、顔をしかめて後ずさりするのです。
「かえちゃん吐きそうなの」。
初日は泣き叫び、翌日は目の焦点が定まらず、その次の日からは目の下にクマができてしまいました。トレードマークのぽっこりお腹もあっという間に引っ込んでしまいました。
入学、コロナ禍、運動会・・積もり積もった、いろんな疲れやストレスが彼女にのしかかったのでしょうか。原因はわかりません。
せめて水分だけでも摂ってほしい・・。
我が家では、食事中にジュースは飲みませんが、こうなったら何でもオーケー。りんごジュース、カルピス、ファンタ。
「え?ごはん中だけど、いいの?」。
3年生の長女はキョトンとしながら、棚ぼたに預かれてラッキー。(飲んでほしいのはキミじゃないんだけどー、笑)。
当の本人には作戦失敗。次女は今にも泣き出しそうな顔をして、また食卓から離れていきます。
しだいに私は、食事の準備と次女の反応が怖くなってきました。
またダメだったらどうしよう。
「無理して食べなくてもいいよ」と言ったそばから、「ひとくちでもいいから、食べて」。
母の愛が強すぎるゆえに、言動が矛盾しました。
行き止まりのどん詰まりにいたとき、私の他にも、かえちゃん応援団がいました。
「外でサンドイッチを作って食べよう」と、材料を買い込んで来てくれた夫。
我が家の食料ストックにはないジュースやフルーツの缶詰を自宅からかき集めて持ってきてくれた裏の家のけいこちゃん。
畑のイチゴを摘んで夕飯前に届けてくれた近所の子供たち。
「おにぎりに巻いたら食欲でるから!」と、レッスンの帰りに青ジソの塩漬けを持たせてくれたピアノの先生。
大好物の明太子ならどうかと、すぐに送ってくれた福岡の母。
応援団による、あの手この手の縦横無尽作戦。
いつもは食料ストックがほとんどないウチの冷蔵庫がパンパンになりました。
そして別の形の応援も。
以下は友人とのLINEのやりとり。
友「もしかして、食事中、固唾をのんでかえちゃんのそばで見守ってる?」
私「カタズのみまくりですけど?!」
友「(笑)やっぱり」
私「手に汗にぎったママが隣にいたら確かにプレッシャーよね。ちなみに、黙っていようと思っても、すぐ、『ちょっとだけでも食べて!』とか言っちゃう・・」
友「ほんとうにお腹が空いたら自分から食べるはずだから、今は辛いけど、そっとして、待とう」
私「そやね。イランコト言わずにね~」
母親って、すぐイランコト言っちゃう性なんでしょうか。私だけか??黙って見守るのが苦手!
「ひとくちだけ」も「ちょっとだけ」もイランコト。今は食べたい時じゃないんだもの。
辛抱しなきゃいけないのは、母親の私のほうでした。お口チャック。
そして5日目の夕方、湯船に浸かっていたとき、
「ママー、何でもいいからたべたい!おなかすいた!」
はいよ待ってましたー!
応援団の皆さま、ご心配おかけしました。もう大丈夫です。昨夜は、明太子ごはん3杯目のおかわりしようとしてましたので。
「いいかげん宿題やんなさい」
「はやく歯磨きしてー!」
「時間割まだなのー?」
イランコト言わん母になるつもりです。