いわなみ家の話
第151話
「家出(45分)」
中学生の娘と言い合いの末、「親をバカにしないでくれる?もう知らない!部活だけ好きにやってなさい」
と言い放って、家出をした。ワタシが。
タダじゃ家出しないのが個人事業主、兼主婦。
生乾きの部屋干し洗濯物を、怒りに任せてバチン、バチンと洗濯バサミからすべて殴り外し、配送分のパンを抱えて。
ここで財布やケータイなんぞ忘れて取りに戻るほどカッコ悪いことはないので、何度も持ち物確認をしてクルマに飛び乗る(ややカッコ良く)。
コインランドリー待ちの間に、買い物メモをみながら卵と牛乳と焼きそば麺を買う、この虚しさよ。
「かえ(妹)がAmazonPrime観たいって。いい?」
「さっきはごめんなさい」
こんなLINEは当然未読スルー。(妹をダシに使うな。そもそも、送信する文章の順序が逆!)
世の母はどうして、こんなに怒り心頭のときでさえ、フカフカのパジャマやタオル、部活のジャージを角をそろえてたたんでいるのでしょうか。
春休み初日。これじゃ先が思いやられる。
セブンで「レアチーズタルト」とコーヒーを買って自分を入念にトリートメント。同級生の娘を持つママ友にこの状況を愚痴ると、彼女も家出系コンビニコーヒー母だった(笑)しかも常連。そのうちこの駐車場で鉢合わせだね。
花粉をため込んだ裏山に日が落ちて、空もフロントガラスもまっ黄色。そろそろ帰るか。正味45分。
心のモヤモヤは晴れるはずもない。
どうやってこの冷戦状態を打開すればいいのか、わからないなぁ。The思春期