「生乾きのち、晴れ」

いわなみ家の話

第143話

「生乾きのち、晴れ」

中1の娘は毎日、自分で洗濯機を回す。そして、たっぷり柔軟剤を投入する。

「そーんなに入れたら、水、吸わなくなるって!」

「いい匂いじゃーん」

【自転車通学の女子生徒は運動着(ジャージ)着用のこと】の規則があるので、帰宅すると汗まみれのジャージ上下を洗濯機へ放り込む。

入学式以来、ほんの数回しか見ていない、彼女の制服姿。チェックのスカートにブレザー、首元には愛らしいリボンまでついて三万円超。あれ、いつ着てるの?!

洗濯機を「少量」モードにして、回し、干す。エライぞ、娘。

一晩あれば、ポリエステル素材だもの、ヨユーで乾く。

青ジャージがハンガーに吊るされると、部屋の中が少々キツい柔軟剤の匂いで満たされる。香水、コロン、芳香剤。そういうものが苦手なワタシだが、自立の芽を摘むかもしれないので、口出しはしないでおこう。

ある晩は、「ぢかれたーー、宿題まだあるーー」

とお疲れのようだったので

「洗濯機終わったらママが干しといてあげるから、宿題片付けちゃいなよ」

たまには格好よく、ママ風を吹かしてみた。

その、翌朝…

「わたしの運動着どこ干した?」

寝起きの娘に指摘されるまで、青ジャージは洗濯機の底で熟成されていたわけで…夜中パンを焼いていてすっかり忘れていた。

ドライヤー・アイロン・布団乾燥機。何種もの神器を駆使するも、朝の30分足らずでは乾くはずもなく。ほんっとごめんなさい!ママがやるって言ったのに!謝るしかなかった。

「ちょっと生乾きだけどー、いけるっしょ!だいじょぶ。ありがとね」

と言い残して登校していった。

なんてカラッとしてるんだ、長女よ。

多めの柔軟剤がナイスアシスト。「レノア超消臭・おひさまの香り」「部屋干しでも天日干し(級の)さわやかさ」「お母さん干し忘れても大丈夫」なんて商品は出ないものか(笑)

梅雨入り目前。本日晴天なり。熟成洗濯物なし!

ちなみに当店のパンは長時間熟成です←得意分野