「オープン後のケイサツザタ」

いわなみ家の話

第18話

「オープン後のケイサツザタ」

 

2019年12月、パン屋オープンの一週間前に、近所のみなさんを我が家に招いて、パンの無料ふるまい会をしました。

好きなパンを選んでもらって、紙コップにインスタントコーヒーを注いで、会食の場で店主は大声であいさつして、ご近所さんギュウギュウ密密・・。

こんな 時代も あったねと、、

なつかしい。

それから数ヵ月後のTOKYO2020が延期になるなんて、ね。

 

毎週完売の好調な滑り出しをしていた、2020年の年明け間もないある日、玄関前に警察官が立っていました。ギョッ!

サツ「パン屋さんをやってるのはこちらですか?」

私「は、はぁ。私ですけど、何か・・」

サツ「困りますよー、路駐してもらっちゃ。苦情の電話がかかってきましてねぇ。何とかしてください」

私「いや、その、何とかって、、」

サツ「今度見つけたら、お客さんにはかわいそうだけど、違反切符きりますからね。続くようなら、あなたも営業停止になりますよ」

私「え、そんな」

サツ「じゃ、そういうことで」

 

怖くなってメソメソ泣きました。

思い当たる節が思い当たらないほどに、私はお客様駐車場に関して無頓着でした。

ご近所さんに気に入られようと、オープン前にパンを食べてもらったのに、近所に迷惑をかけていた・・。

お客様だって、停めるところがないから仕方なく路上駐車を・・。

お客様の数だけ、駐車場を確保しなければならなかった。

パンしか眼中になかった私に100パーセント非があります。

 

すがる思いで「困ったときの長谷川さん(役場の移住担当)」に電話すると、折り返しの電話でも構わないのに、直接やって来てくれました。

長「いわなみさん!だ、だいじょーぶですか?」

私「はーせーがわさーん、泣きたいです!!」

長「それは困りましたね。あ!それなら区長さんにお願いして公民館の駐車場を貸してもらいまょう。それから、この近所の人たちなら、絶対、駐車場貸してくれますよ」

 

その日の晩に、区長さんもウチに来てくれて、我が家の駐車場工事が完了するまでの数ヵ月の間、公民館の駐車場を貸してもらえることになりました。

また、お向かいのコジマさんも、二軒隣のコジマさんも、裏のホシさんも、その隣のカネコさんも、「うちの駐車場使えー」って。

なんて温かいご近所さんたち。

現在、自家製天然酵母パンいわなみ家のお客様駐車場は、2ヵ所です。

食パンに「P」マークの看板が目印です。

第1駐車場は、いわなみ家の裏(5台)。

第2駐車場は、お向かいの、コジマのおじちゃんおばちゃんのところ(4~5台)を借りています。

駐車場代は、焼きたてパンの現物支払いで、ちびスタッフが毎週持っていきます。

おじちゃんおばちゃんは「ほんとの孫みたいだ」と目を細めて、ポテトチップスやキャンディーやプリンを娘たちに持たせてくれます。

 

 

 

 

 

 

【5月30日(日)完売ありがとう】

【5月30日(日)完売】

完売しました。

ありがとうございます!

また、あさってに。

 

山食
アーモンドトースト
ノアレザン
マンゴーパン
抹茶かのこベーグル
黒ごまチーズベーグル
チョコクランベリーベーグル
塩あんこベーグル
ブルーベリーベーグル
ブルーベリーベーグルクリームチーズサンド
やっこいあんバターサンド
マロングラッセのバトン
いわなみ家のグラノーラ

 

「なにくそ根性」

いわなみ家の話

第17話

「なにくそ根性」

 

古民家パン屋オープンに向けて、開店準備に余念がない2019年秋。

材料の仕入れを、これまでのインターネット通販から地元製粉業者に変更しようと考えていました。

パン教室なら小麦粉500g~1キロあれば1日のレッスンができますが、お店となると1日約10~15キロを使います。

インターネットでその都度購入していては間に合わないし、単価も高い。

毎週決まった曜日に25キロの粉袋を担いできてくれる業者さん、いないかな。

まずは東北ではいちばん名前を聞く、ある業者に電話して自宅に来てもらいました。

その若い営業マン、なんて言ったと思います?!

 

若造「ひと月のご注文が10万円いかないとお受けできないんすよー」

私「あ、そーですかー、そこをなんとか」

若造「ここでパン屋すかー?正直きびしーと思いますよ。米どころだしねー」

私「まあねぇ、一面の田んぼ・・」

若造「カンパーニュとか?ベーグルとか?いやー、きびしいと思うなー。柔らかいパンのほうがいいんじゃないっすか?」

私「・・もう、結構です」

聞くけど、若造よ、お前はアタシのパンを1口でもかじったことが、あんのか??

米どころ、会津人をなめんな。

会津人のお客様の舌は肥えてんだぞ。

 

もちろん、その業者とは取り引きしていません。

その後、10万円なんて注文いかなくても、毎週毎週届けてくれる、2つの業者さんと仲良くやっています。

根に持つタイプですからね、アタシ(笑)

若造の、あの「大規模店舗至上主義」、「田舎のパン屋は売れない」及び「俺はパン屋を知りつくしているぞ」的発言を胸に、「なにくそ根性」で小麦粉と向き合って参りました。

先月は10万円以上の支払を別の業者さんにしたもんね。

まだまだお尻が青いわね~

(今回は毒舌が過ぎましたかね・・失敬。若造思い出しちゃって、つい)

 

 

「開業届と納税」

いわなみ家の話

第16話

「開業届と納税」

 

税金は

未来につなぐ

虹の橋

 

どうですか、この標語。

今から30年ほど前に、このブログの著者が「福岡西税務署賞」を受賞した一句です。

住民税、固定資産税、自動車税、所得税。5月は税金貧乏マンス。

納期限は今月末ですよ、お済みですか?

 

パン教室を6年やってきましたが、それは多くのご指摘の通り、「趣味の延長」だったかもしれません。

 

家庭の中でも外でも、「パン教室=趣味」と言われるのがとても嫌でした。プライドが許さん!でも、「パン教室=仕事」と言い切れない自分もいて・・。

そう、告白しますが、6年間納税してなかったので、胸を張ってモノを言えませんでした。

移住し、いよいよ貯蓄の底がパックリ見えたので、開業届を出すことを決意しました。

紙1枚、税務署に送るだけです。

 

「税務署への開業届=納税の義務」だけではありません。

「開業届の控え」があれば・・。

 

1、個人事業主としての身分の確保(笑)

「わたしの仕事はコレ!」と、胸を張れます。

 

2、融資を受ける際の信用証書

なにせお金がないのでね、どうやって融資を受けましょう?

新たにクレジットカード作りたくなったら?

社会的信用ゼロの私に、心強い「開業届の控え」がついています。

ひかえひかえ~、なんつって。

 

かくして、私は、家庭内に「母ちゃん仕事するぜ!」の宣言高らかに、仕事の日は、スーパーの惣菜を胸を張って夕飯に並べる権利を得ました。

会津美里町からは「創業支援金」を、また株式会社フェリシモ様からは「とうほくIPPOプロジェクト」支援金のサポートを得ることができました。

古民家の玄関を入ってすぐ、18畳の広い土間があります。典型的な農家住宅の間取りです。

その1角に、2メートル×4メートルほどのパン工房を作りました。

発酵器、オーブン、水道。

パン生地を成形する作業台に立って手をのばせば何でも届く定員1名の狭小コックピットです。

この仕事場で週3回パンを焼いています。

通勤時間なし、YouTube見放題、BGM、ラジオ聞き放題、コーヒー休憩適宜。私にとっては夢の城です。

 

ところで最後にもうひとつ告白を。

くだんの標語、中2のときに母が考えました。

30年経ったし、時効よね・・。

納期限に納税したので、税務署さん許して♡

 

 

【5月25日(火)完売しました】

【5月25日(火)完売しました!】

 

商売はむずかしいものですねー。

けれど、みなさんのおかげで、パンがひとつ残らずお嫁に行けました!

 

 

 

おはようございます。
眠いです(笑)
シャクヤクが咲き始めました。

10時30分開店です。
目を開けてお待ちしています!

山食
アーモンドトースト
ノアレザン
ナッツとチーズのハードパン
マンゴーパン

塩あんこベーグル
黒ごまチーズベーグル
ブルーベリーベーグル
ブルーベリーベーグルクリームチーズサンド
チョコクランベリーベーグル

チーズとクルミのバトン
大納言バトン
ショコラオランジュ
やっこいあんバターサンド
いわなみ家のグラノーラ