「初笑い、いかがですか?」

いわなみ家の話

第98話

「初笑い、いかがですか?」

2023年明けましておめでとうございます。

もし火事が起きたら真っ先に持ち出すもののひとつが、手書きレシピファイル(原本)。

レシピには、右肩に日付を小さく書いているのですが、ファイル1ページ目には2013とありました。

月日の経つのは早いもので、今年もあと360日…なんつって!

火事が起きたら真っ先に持ち出すもの、わがパン屋のチビスタッフ。

そのスタッフ2名による年末年始ほくそ笑みエソピード(!)をご紹介します。

  1. 読書好きの2人。「ママー、この本読んでみー。まず、エソピードだけでもさ!」
  2. 読書好きの2人。「本の最後の方によくある、エロピーグって何のこと?」

エソピードも、エロピーグも、至って真面目です!

本好きの2人に感化されて、年末年始は私も読書に没頭しました。

福島県三春町出身の登山家・田部井淳子さんをモデルにした長編小説「淳子のてっぺん(唯川恵著)」。

あまりに感動したので、読後興奮冷めやらぬうちにスタッフたちにもあらすじを聞かせてやりました。

ス「それでそれで、淳子さんはさ、ヒラヤマは成功したの?」

母「平山?ヒラ山?」

(備考)1970年5月、淳子さんはヒマラヤ山脈のアンナプルナⅢ峰(標高7555メートル)の女性初登頂に成功しています

 

そんなスタッフ、最近ワインにハマっている店主の、酒の肴のお世話までしてくれるようになりました。

ス「ママ、カマンベールにする?プロレスチーズにする?」

母「今日は思い切ってプロレスにしてみようかな!」

 

 

 

 

 

 

「あのころの感染」

いわなみ家の話

第97話

「あのころの感染 」

小学校の卒業式を控えた去年の2月、まず最初にHくんの伯父さんが感染した。働いている介護施設でクラスターが発生したと聞いた。

娘たちの登校班の班長だったHくんはそれ以降、学校を長期間欠席し、ついには卒業式に出席することも叶わなかった。

続いて、同居するおじいちゃんも感染し、入院先で亡くなってしまった。

このあたりの部落では、通夜の前に、「顔見せ」というしきたりがある。近所の者たちが集まって故人宅を訪ねる。

コロナ禍で、Hくんのおじいちゃん宅への「顔見せ」はもちろん無かった。

早くにお父さんを亡くしている、Hくんの寂しさは想像を絶する。

あのころ私は、Hくん家で起きていることを「触れてはいけない話題」のように扱っていた。近所の人らの雰囲気もそうだった。心からお詫びしたい。

あの人んちも、この人んちも、アタシんちもコロナを経験している昨今。

「やだー、うちもなったよー。てっとりばやく家族全員かかっちゃいたかったけど、下の子だけ4日後でさぁ、長引いたわー」

「まじでー?うちは先月。(抗体できて)この先3ヶ月コロナかからないってホントかねぇ」

昨日スーパーで買い物中に聞きもれたママ同士の会話は、フツーの音量(大きすぎるくらい!)。

感染したことをひた隠しにしなければならなかったであろうあの頃とは、全く違う温度差。

中学生になって制服も板についてきたHくん、部活に忙しいらしく、日焼けしてすっかりイケメンになった。

通学路の田んぼのわきでHくんを見かけるたびに、近所のおばちゃん(アタシ)、春からずっと話しかけてきました。

「部活?」「テスト期間中?」「おかえり~」。

やっと声が聞けたのは最近のこと。

「今日は部活ないんで、早帰りで…」

返事うれしかった!

春になったら、またパン屋に来てね。君は迷わず「黒ごまチーズベーグル」一択だったよね

 

 

 

 

【12月18日~冬季休業のお知らせ】

【冬季休業のお知らせ】

お客様各位

12月18日(日)のパン屋再開をめざしていましたが、駐車場が雪に埋もれてしまいました。

18日より冬季休業とすることにします(うーん、悔しい~!今年はクローズ早い~)

 

昨日はいわなみ家開業3周年でした。
(コロナ騒動であやうく忘れるとこだった!)

みなさんに愛されて3歳!
今年もありがとうございました。

ワタシは冬の間もパン焼いています。近くの方や遠くの方に届くよう、いろいろ企画してみますからね~♡

【12/13(火)本日まで休業】

【12/13(火)今日まで休業】

お客様へ

いわなみ家はみんな免疫力高いのか?
超軽症で隔離生活終盤です。

☆本日12/13(火)まで休業とします。

12/18(日)は営業再開し、パンもシュトーレンも張り切って並べますよ~。

12/15で、いわなみ家は3歳(^-^)

新たな気持ちでみなさんと再会できるのを楽しみにしています

「隔離?だめだこりゃ」

いわなみ家の話

第96話

「隔離?だめだこりゃ」

39度の熱を出して、医療機関の抗原検査で「陽性」の判定をもらった我が家の妖精、いや、陽性第1号の娘。

弱っている子供を一人残して隔離するなんて、と胸が張り裂ける思いで別々の部屋で就寝することにした。

その翌朝、

「ママー。おでこさわってー!熱、なーい!」

と元気に私の布団にもぐりこんできた。

だめだこりゃ…。

2日後、順当に発熱した妹も、深夜2時に私の枕元にヌボーッと現れて、

「ママといっしょに寝るー」。

そうなるわな~。

初日こそ妖精ちゃんの使った寝具やソファーを除菌スプレーしたり、トイレの後にくっついて回って掃除していたが、「コレ、意味あるんかな」と思えてきた。

近所に住む感染経験者ファミリーは二世帯で、

幼稚園児の次男が感染したと当時に、「長男と祖父母」「次男と父母」のチームに分かれ、家庭内でLINEの連絡を取り合って食事や入浴時の順番を決め、見事「長男と祖父母」チームは感染を免れたらしい。相当徹底したのだろう。

核家族の家庭内隔離はヒジョーに厳しい。

親が目を離した隙に姉妹はくっつきあって遊んでいる。オーノー!

また、風呂は、症状のない者から順に入っていたが、脱衣所で母が素っ裸になっている時に限って姉妹が乱入してきて、「お風呂ひとりはヤダー」「お姉ちゃんだけずるい」「そっちだって」とケンカが始まる始末。

「あーもう!ゴチャゴチャ言うならみんなで入ろう」。

可愛さと、面倒くささと、人手の無さがあいまって、隔離政策は頓挫してしまった。

ほかの経験者はこうも言っていた。

「隔離なんて端から難しいと思って、(症状が軽いなら)家族ができるだけ心地よく過ごすかです」。まったく同感だ