「言い訳なき家事分担制」

いわなみ家の話

第19話

「言い訳なき家事分担制」

 

去年の秋、42歳の誕生日に自分へのごほうびとして「自動食器洗い乾燥機」を購入しました。

古民家に不釣り合いな、据え付け型の食洗機。設置費、水道工事費、全てコミコミで11万円でした。

スタートボタンを押すと、ぐぉんぐぉん、とナノイー高温洗浄が始まり、文明開化の音がしました。

 

「皿くらい洗ってよ!」

「皿と鍋を洗うまでが料理!」

ちょっと奥さん、外から帰ってきて、台所のシンクに放置されたままの、パスタソースがこびりついた皿を見つけてごらんなさいよ。

夫へキレるほとんどが、皿洗い問題でした。でも、キレた自分が損をした気分に・・。

食洗機導入以降、キレにくい妻へと変貌し、寝る前の子供たちとも遊ぶ時間ができ、さらには店頭販売のパンの生産数を増やすことができました。

一石三鳥!

諸手を挙げて喜びましたが、ちょっと待って。

電化製品は主婦の私を救ったのか?

以下はあったらいいな家電。

「自動三食作り機」

「自動洗濯物干し、たたみ、タンスにしまう機」

「自動ゴミ出し機」

「自動トイレ掃除機」

「自動風呂掃除機」

「自動スーパーへ買い出し機」

「自動ふとん上げ機」

「自動ふとん敷き機」

デジタル家電がいくらあっても足りないじゃーないの!

開業届まで出したのに、私は自分ら夫婦が共働きになったことをすっかり忘れていました。

疲れが抜けないわけだ。

以来、我が家は言い訳なき家事育児分担制が敷かれています。妻は厳しい。

 

互いに外に出て会社勤めをしている共働き夫婦と、互いに自宅を所在地にして自営業をする共働き夫婦。

後者のほうが、甘えや誤解が出がちだと思います。

「家にいるから(家事できるでしょ?)」は間違い。家にいるってことは仕事中。

パン屋は昼寝も仕事のうちなので、見逃し配信テレビをスマホで見ながらウトウトしていても、堂々とさせてもらってます。

堂々とウトウト